掃除や洗濯など生活援助を行うときのコツ

介護職の仕事には、食事や入浴の介助といった身体介護のほか、生活援助があります。生活援助とは、高齢者の居室を掃除したり、衣類を洗濯したりすることです。身体介護には介護資格が必要ですが、高齢者の身体に触れない生活援助には資格が不要なため、介護職として仕事を開始する際は、生活援助から始めると言って良いでしょう。
高齢者は、足腰が弱ると自由に立ち歩くことが困難になり、狭い居室であっても毎日の掃除を怠りがちです。居室の片付けや掃除が滞ると、部屋が雑然として高齢者の精神衛生上好ましくありません。介護職がこまめに居室を清掃すれば、高齢者が快適に過ごせるだけでなく、心理的に安定するようになります。

また、腕力が弱った高齢者は、着替えにも相当の体力を要するようになります。着替えが億劫だと、何日も同じ衣服を着用することになり、衛生的に問題です。介護職の都合上毎日の入浴が難しいとしても、せめて着替えだけは毎日可能になるよう介護職が気を遣わなければなりません。毎日の着替えのためには、衣類の洗濯が欠かせないのです。洗濯と言っても、使用した衣類をまとめて洗濯機に入れてしまえば事足りる訳ではないので注意しましょう。
排泄機能が衰えた高齢者は、下着が汚れてしまうことが多く、下着とその他の衣類を分け、下着は予め揉み洗いなどの処置を施してから洗濯機に入れることが必要です。訪問介護の場合は、高齢者の自宅の環境にも配慮し、空気が乾燥する冬季などは、室内干しにより湿度を保つなどの工夫も欠かせません。洗濯や掃除などのスキルを集中して磨いておくことで、訪問介護の仕事を安心して始められるようになります。